エベレストは昔海だった(コラボ作品)
「先生の数多くの発明のおかげで私たちの暮らしは向上しました。ありがとうございました」
「ご無事を祈っております」
三上の妻・富士そしてマリア、香奈と抱き合って別れを惜しんだ。
子供たち、鬼子たちありがとう、感慨にふけりながら海竜丸に乗り込もうとした時、
「待ってェ――」
という太陽と茜の声が聞こえた。
「ハァハァハァ、間に合った」
「先生、これ」
差し出されたのは水晶だった。
「ほら、先生言ってたでしょ、これのこと。運を開く宝物になるって。だからふたりで取りに行ってたんだ。これくらい持って帰ってもいいよね」
「ありがとう。君たちのことは忘れない。とうさん、かあさんを大切にしてくれ」
こみ上げる感涙をそのままに、船内に入った。
鬼子たちは一斉に緑のシグナルを点灯して、送り出してくれた。
作品名:エベレストは昔海だった(コラボ作品) 作家名:健忘真実