キコ・キー
中学生活も残り半分を過ぎ、友達のできたキコはよく友人と遊びに出かけるようになっていた。これから始まる夏休みもキコ達はたくさんの予定を詰め込もうとしている。
キコの拾ったあの鍵はいつの間にかなくなっていた。
仲間と遊ぶうちに鍵の存在は忘れられ、時折取り出しては眺める程度だったのだが最近はそれすらもしないでいた。ただ、それが悲しいことなのかは分からない。でもキコはきっとそうであると信じていた。
梅雨の開けた空はキラキラと太陽の光を拡散し白と青のコントラストを美しくキャンバスに描き出していた。
そんな空をキコは笑顔で見上げ、太陽の光もその照りつけるような暑さを少し和らげるようだった。