小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ゆきのした
ゆきのした
novelistID. 27973
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

コルチカムのあと

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
春と夏のちょうど真ん中の季節。
そんな季節が私は好きだ。微妙な暑さと微妙な天気、微妙な湿度。生ぬるい風が吹く日もあれば、寒いと思うような風が吹く日もある。きっとこんなどっちつかずな季節が好きだから、私自身も中途半端な人間なんだろう。いや、これがこの季節が好きな万人に当てはまっているとは思わないけど。
こんなことを私が一人ぼんやり思っていても世界は周っている。きっと今ごろ古谷はアイドルの握手会に行っていて、宮部は鬱々しい気分で一人で帰っていて、翔くんは生徒会室で馬鹿騒ぎしていて、鳳くんは音楽聴きながら生徒会業務をしていて、ゆーまくんは秋葉原に行って大好きな声優さんのCDを買いに行っていて、あいつは、轟は将棋でも指しているに違いない。
何時の間にかバラバラになっていた何か。気付けばバラバラになっていた何か。
思いを馳せれば馳せるほど、色が濃くなって鮮やかに輝く私の中にもあるバラバラになってしまった得体のしれない何かは、まだかすかにしか感じない夏の匂いとともに、また私の中で大きくなっていくのだろう。

作品名:コルチカムのあと 作家名:ゆきのした