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「　オレンジ色の空と逃避行　」

街に響く、五時を告げる鐘の音。
帰路に着く小さな足音。
門限を知りえる、細長い時計。
-ばいばい。-
夕焼けを背にして、君が僕に告げる。
その顔が。
余りにも哀しくて。
僕はぎゅっと、君の小さな手を握り締めて。
走り出した。

暮れ行く空に。
僕と君の影が。
東へと向かっていた。

息が荒く早くなるなるたびに。
君の手は、僕の手を強く握り返してくれていた。