sfera
「 花火・群青空 」
いつからか、僕らは傍にいて。
いつからか、僕らは手をつないで。
いつからか、僕らはこの河原に毎年のように足を運んだ。
赤、青、緑、黄。
一瞬の光たちの会話。
大勢の溜息と共に、咲き、そして散る。
星の瞬きを消し。
沢山の輝きを燈し続ける。
人は、こんなにも空に焦がれているんだ。
僕の横には、じっと空を見詰める君がいる。
君の綺麗なうなじが時々視界に入って、空の華を忘れる。
地上に咲いている、この小さな華が、僕の傍にいる。
それだけで、もう十分だった。
来年も来よう。
当たり前のように僕が呟くと、君は。
優しく、そして強く僕の手を握り返してくれた。