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CROSS 第13話 『帰投』

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   ガシャーーーン!!!!!!

 とうとう、ハッチのドアが、かなり変形した形で開いた。ドアが
開いた瞬間、機内は歓声で包まれた。

 だが、その歓声はすぐに悲鳴に変わった……。なぜなら、ハッチ
のドアの前に立っていたのは、仲間の隊員でもエホバの証人の勧誘
員でもなく、赤く輝く目をした骸骨侍の悪魔だったからだ……。少
なくとも、助けにきてくれたわけではないことはすぐにわかる……。
その骸骨侍は、不気味に輝く刀を2本、両手に持っていた……。



 山口たちは、2号機が墜落していくのを見届けるしかなかった。
しかし、地面に落ちた音が聞こえただけで、爆発音が聞こえかった
ので、急いで救助に向かうことになった。同胞の犬走椛が乗ってい
たことを知った妖夢も急いで向かった。走りながら、空を飛び交う
エイに向かって撃った。エイも、トゲで反撃し、何人かの隊員が、
その場で串刺しになった。それでも山口たちはひるまずに、墜落し
た2号機に向かって走り続けた。
「残念ですが少佐。戦死者の遺体を収容している時間はありません」
ヘーゲルは静かにそう言った。残り時間がもう2時間を切っていた
ので、仕方が無いことだった……。しかし、山口はそれだけは納得
できない様子だった。




 上社はすぐにホルスターから拳銃を抜いた。この拳銃は、軍制式
の物で、見た目はおもちゃみたいだが、自動小銃のようにレーザー
弾を発射できる強力な物で、『レーザーピストル』と呼ばれている。
 その拳銃を、ハッチの前に立つ骸骨侍に向かって撃った。しかし、
骸骨侍は素早く避けて、ハッチから機内に飛びこんできた。そして、
上社と犬走椛の目の前まで来た……。犬走椛が悲鳴を上げる。他の
隊員たちは、狼狽えながら、後ろに下がっていた……。
 上社がまた撃った。今度は、骸骨侍の胸に命中した。レーザー弾
の直撃で、骸骨侍の胸骨が何本か砕け、骸骨侍はひるみながら1歩
後ろに下がった。上社はとどめをさそうとまた撃った。ただ、今度
は胸ではなく左腕に当たり、骸骨侍の左腕は刀を持ったまま床に落
ちた。
 そこで骸骨侍はフッ切れた様子で、右腕の刀を構えて、上社に斬
りかかってきた。すごい速さで斬りかかってきたため、上社は避け
られそうになかった。刀の刃が、上社の首に向かっていく……。

   ビシィン!!!

 機内に、何かが切れる音がした……。