CROSS 第13話 『帰投』
「な…なにを?」
山口はぶるりと震えてそう言った。
「……公聴会の件です」
妖夢が静かにそう言うと、山口はハッとした様子で、
「……そ…それは、無理だって!」
そう言うと、シャトルから出ようとした。
しかし、山口の目の前で、ドアがバタンと閉まった……。ドアの向こうで、格納庫にいた隊員や整備兵が慌てているのがわかった……。山口のすぐ近くで、三姉妹が黙って山口を見ていた……。犬走椛は呆然と見ていた。
「オイ、なんのマネだ!!!」
山口が振り向いて、妖夢のほうを見ようとしたそのとき、山口の腹に激痛が走った。妖夢が、山口の腹を刀の鞘で殴打したからであった……。山口は酔っていたため、避けることができなかったのだった。
{ハメやがったな!!!}
山口は、悔しそうに腹を押さえながら仰向けに倒れ、そのまま気を失っていった……。山口の周りに、妖夢と三姉妹が突っ立っていた。気を失う中、シャトルが発進し始めたということだけはわかったが、そこで完全に気を失った……。
【 第13話 終わり 】
つづく
作品名:CROSS 第13話 『帰投』 作家名:やまさん