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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第二回・参】僕らの開かずの間清掃

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【栄野京助=殺虫剤、スリッパ】
【坂田深弦=ハタキ(色はピンク)】
【南朔夜=箒】
【中島柚汰=バケツ&雑巾】
【緊那羅=箒】
【栄野悠助=ゴミ袋】


選ばれし暇をもてあましていた5人の勇者達が各々に武器(というか掃除用具)を持ち最終決戦(っても栄野家)のステージである栄野家の開かずの間の引き戸の前に集結した
「…いくぞ」
京助の一言に全員が頷いた
京助が開かずの間の引き戸に手をかけると一気にその戸を開けた

「暇ならお掃除手伝ってくれないかしら?」
栄野家での夏休み宿題合宿(仮)の6日目は母ハルミのこんな一言から始まった
宿題合宿といっても名前だけで実際は海だ! 山だ! 夏休みだ! と遊び倒していた
「いいですともっ!」
母ハルミの頼みとあらば黙っていられないのが坂田である
目を輝かせて引き受けてしまった
栄野家は神社、しかもソコソコ続いているらしくやけにだだっ広く部屋数も結構あった
普段の生活に必要な茶の間、トイレ、風呂場などは母ハルミと居候 緊那羅(きんなら)が掃除をしているのだがその他の部屋は年に数回しか掃除していなかったというかとてもじゃないがそこまで手が回らなかった
そこで母ハルミは若くて元気のある労働力、3馬鹿が泊まりにきているうちに手伝ってくれるよう声をかけてみたのだった
「あらぁ助かるわ~」
坂田の返事を聞いた母ハルミは嬉しそうに笑った
「…俺らの意見は聞いてくれなさそうっスね」
中島が庭先で光合成しているヒマ子に水をかけながら溜息をついた
「お掃除頑張ってくれるなら今晩は奮発して焼肉にするわね」
その一言が坂田以外の輩、京助、中島、南のやる気に火をつけた
     

 焼肉! やきにく! ヤキニク! YA-KI-NI-KU!

「お任せください母上! ダスキンもビックリな掃除っぷりをお見せいたしましょう!!」

京助が両目に【焼肉】の二文字を輝かせながら宣言した
南と中島もコクコクと頷いて『任せろ!』といわんばかりに親指を立てた
さすが母ハルミは馬鹿の扱いが上手かった
こうして栄野家の大掃除が始まったのである