詩群。
■廻る時の花 エウカリス
かくして 西方の皇国に魔法は充ちて
神秘の片鱗エウカリスはあらたな路をその花びらに描けり
時よ紡げ
旅路の果ての水の香を
虚ろなる吹雪の向こうにいのちの芽吹きを
閉ざされた扉からはやがて訪れる歓びを
時よ廻れ
いにしえを 揺らめく水底に見つめ
此処より生まれ来たる日を 眼間に宿さん
天空の御柱にこころは在りき
うるわしきこころは在りき
高き御空にエウカリスは咲き誇りたり
その想いの透明な様よ
かくして 西方の皇国に幻想は充ちて
神秘の片鱗エウカリスは
あらたな夢をその花びらに描けり
時よ綴れ
泪のあとの花の色を
孤独なる世界の彼方より来たる友の詩を
終わりの終焉から うつくしきはじまりを
時よ廻れ
眠りの庭の記憶 回廊に描かれし かすかなひかり
御柱の時を辿る儚き幻想花───エウカリス
淡い花びらよ まわれ まわれ
風とともに時を刻む花びらよ
淡い花びらよ おどれ おどれ
風とともに舞う澄んだ花びらよ
かくして 西方の皇国に神話は充ちて
神秘の片鱗エウカリスはあらたな時をその花びらに描けり