恋音
「ぶはっ!」
「なっ!!」
夏越が腹を抱えながら笑い出した。
コイツ……殺すぞ。
「お前…人がせっかくっ!」
「ごめ、ごへぇんっ!」
「っっっーーー!」
「だって、だって、鈴暮!」
「……帰る」
「へ?まっ、待って!」
涙目になりながら俺の腕をつかんでくる。
なんか俺が泣かせたみたいだな…。
「ごめんな?けど、鈴暮が凄い可愛いかったから、つい。」
「………………」
やばい、やばい。
可愛いが嬉しいとか、
お前の方が可愛いとか。
なんてー…。
「ね、鈴暮。」
「…んだよ」
「彰って呼んで良い?」
「………好きにしろよ…」
「うん、彰も俺の事、一って呼んで?」
「……………そのうち」
「だめ、今。」
「…………」
「呼んで?」
「……………………ハジ、メ…」
「…うん。」
やっべぇ、
死ぬほど顔が熱い。
名前呼ばれてこんな嬉しい事ないし。
恋ってすごいな…。
「彰…」
「…んだよ」
「…猫は?」
「……ココ」
俺の膝の上で丸くなってスースー寝ている。
夏越と額をくっつけあった。
呼吸がかかるほど近く。
「……彰」
「…ん、」
「………好きだよ…」
「………………うん」
そしてまた唇を重ねた。
その後、帰り道で夏越が子猫に名前をつけた。
命名「にゃん太」
夏越のセンスが意外に悪いなっと思ったのは
また別の話。
END、