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春は修羅

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大切だった君よりももっと大好きなひとができた。それでも僕の大好きな人は消えてしまった違う人を追い掛け続けてる。彼女の笑顔が見れるなら、僕はなんだってしようと思うんだ。君には特別に教えてあげるから、ほら、こっちにおいでよ?
『ハァトナハト』




5月の光の底を這うように眉をひそめた。ひとつ、ふたつと咳をして、無条件に照らされる無色の光を塞ぎこむ。半袖の腕へと刺さる入射角は直角。いつの間に過ぎ去っている次のパーテーションへの15分。
『℃』




踊れ。滑稽なダンスを。歌え。音を外したデマゴギーを。手を叩け。賛同しろ。足を鳴らせ。反論しろ。叫べ。存在の証明を。泣け。命の瞬間を。笑え。怒れ。悲しめ。思い知らせてやれ。そして、生きろ。誰かのために、自分のために。
『Doing』




君を見るたびドキドキするよ、息ができなくなりそうよ。もっと笑って、私に笑って。夢の中でにやにやを唇を噛んで殺す。きゅん、て擬音を考えた人は誰なんだろう、誰でもいいやありがとう!この胸の衝動は、間違いなく、変!
『したごころではありません』




奥歯に穴が開いていた。舌でなぞるとそれは丸い穴で、自分で確認できるくらいだ相当やばい、と思って鏡を見たらさっき歯にはさまっていたプレッツェルだと思っていたものが実は歯だった。円形にくり抜かれたであろうエナメル質に歯ブラシが落ちた。
『PAD?』




朝起きて、歯を磨いて学校に行って、帰ってきてごはんを食べて風呂に入って歯磨きをして、あの子のことを考えて。丸まったティッシュがベッドから落ちた頃にはもう明日の足音が聞こえてきていた。
『走り去る今日』




君を好きになりたかった。君を嫌いになりたくなかった。君に好かれたかった。君に嫌われたくなかった。ごまかすのは嫌だった。ごまかされてほしかった。僕は君が好きなんだ、そう思い込まないと、どうにも、怖かったんだ、
『≠』




あの人に変態がばれた。四六時中下ネタを考えている人だと思われてしまった。それでも友達でいてくれる、とあの人は言ったけど、頭の中が自主規制なのはこの際置いといて、そのモザイクの中であの人を好きなようにしてることがばれなくてよかった。
『僕のための無修正』




言うだけならタダ、夢みるだけならタダってあなたは言うじゃない。でもね、タダより高いものはないって言葉があってね。直接の意味は違うけど、あなたが言った言葉に夢に、思うよりずっと価値があるってこと、知っておいてくれたらいいんだけどな。
『掃きだめた鶴』




誰かが誰かのために書いた、汚い字で綴られた愛の言葉。隅の教室の隅の机に書かれた鉛筆の滲んだ字。どうか届いていて、弾かれないで。きっとこれは誰かの、精一杯の気持ちなんだから。
『背伸びエイチビー』




努力すればなんだってできる。私はそれを認めない。努力したってできないことがある。時間を戻すとか、生死を操るとか、そんなことが努力でできたら神様に縋る意味がない。もしそれで神様になれたりしたら、こっちは商売上がったりなんだよまったくもう!
『神様のメランコリ』




理想郷とは何だろう?ずっと寝てられる世界?なんでも食べられる世界?すべてが手に入る世界?望むことすべてが叶う世界?うん、そう。僕にとっては君が隣にいる世界。でも、どこにもないからこそ、理想郷って言うんだけどね。
『erehwon』


作品名:春は修羅 作家名:蜜井