居残り給食
智樹はピーマンを苦い顔をしながら食べ終わると、残り少なかった牛乳を既に飲み干した前田さんを見つめた。
牛乳という存在が居なくなり冷静さを取り戻した智樹は、「僕も前田さんの事が好きかもしれない」と頭を掻きながら恥ずかしさ一杯で告げた。
前田さんはその言葉を聞いて、にっこり微笑み、「ご馳走様しようか」と胸の前で両の手のひらと指を合わせ、合掌のポーズを取った。
智樹と前田さんは、食べ物に色んな意味で感謝を込めて、「ご馳走様でした!」と頭を下げて合掌した。
すると、教壇に置かれいるパイプ椅子に何時の間にか座っていた先生が、「お粗末さまでした」と苦笑しながら言った。