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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ファントム・ローズ

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 僕の体から噴きだした闇が茨を侵蝕して、僕は鳴海愛の手から解放された。
 空がどんどん高くなっていく。

「ああああああああああああああああああああああっ!!」
 叫びながら僕を目を覚ました。
 白い天井。
 腕に刺さる針。
 点滴。
 起き上がろうとしたけど体が思うように動かない。
 それでもベッドを這い下りて、窓を開けてよじ登った。
「こんな世界滅びればいい」
 迫ってくる地面。
 鈍い音を最後に世界は暗転する。

 そして、闇の中で目覚める。
 なんだ……また悪夢か。
 どこまでが現実なのか区別がつかない。
 それを考えることも、この闇の中では意味のあることなのか、難しい問題だ。
 リセットを繰り返しながら語られる物語。
 語り部は僕。
 あれは何度目の悪夢だったのか?
 この闇には夢幻の可能性がある。想像すれば見えてくるビジョン。僕はまた世界を創造する。
 平凡な家庭で育ち、平凡な高校生として、理想の彼女がいる幸せな世界。

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