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星に願いを

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 アイツも女子高生の端くれだから自分の誕生日の星座くらいは知っている。だが、それは十二星座の場合だ。
 法条院美麗の星占いはこれに蛇遣座を加えた十三星座を用いている。ずいぶん昔に一時的に流行した占い方法らしい。法条院はこの頃にブレイクしたので今でも続けているのだ。
 この場合、該当する誕生日もかなりズレてきて、吉野は獅子座となる。沢田奈緒子も水瓶座ではない可能性が高い。
 十三星座における水瓶座に間違いなく該当するのは俺の誕生日だ。


 ちなみに、今日の獅子座の恋愛占いは『今まで気づかなかった自分の恋心に気づくかも』だった。



「相変わらず吉野は元気だねえ」

 俺を残して逃げていた男がニコニコしながら戻ってきた。

「この薄情者が」
「何言ってんだ、お前の至福の時間を邪魔しないように気を使ってやったんだろ」 
「あれの どこが至福の時間だ」
「あんなにイキイキとした顔をしておいて、よく言うよ」
「……」


 窓の外に広がっている空を見上げる。

 今は見えないが青空の向こうで瞬いているはずの星々に祈りを捧げ、俺は冷めきったスパゲティを粛々と食べ始めた。








作品名:星に願いを 作家名:大橋零人