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李 周子
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雪のつぶて20
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車の中はまだ幽かに暖かい。エンジンをかけていた。家に帰るためではなく、暖まるために。シートに背中を押付けて、これからの行き場所を考える。行けるところは、もうどこにもない。真美と二人で暮らすあのアパート以外に。ためらいながらアクセルと踏んだ。タイヤはのろく動き出す。降り続く白い雪の中で。
作品名:
雪のつぶて20
作家名:
李 周子