キミの写真
挟まっていたのはメモ帳の切れ端。何か書かれているようだ。
なんだ、コレ?
日誌から紙を抜き取り、書かれている文字に目を通す。
―――
最近先生がとても無理をしているように見えます。
最近倒れた事もありますし、あまり無理はしないでくださいね?
上之宮玲奈
―――
――トクン、と胸がときめく。
ひかると恋仲だったときのような少しこそばゆいこの感覚。
上之宮の気遣いがとても嬉しかった
後で飲み物でも奢ってやるか……。
紙切れをポケットに入れ、家路につくために職員室を出る。
おっと、教室に忘れ物か。
いつも胸ポケットに入れている、ひかるとお揃いのシャーペンを教卓に忘れてきた事に気づく。
掃除当番の出席をとった際に使ってそのままなのだろう。
……以前の俺なら忘れたりしなかったのに。俺自身ひかるから距離をとろうとしている証拠だろうか?
教室への階段をあがる。ここで倒れたっけなぁ……。
教室前につき戸を開けようと手をかけたら中から声が聞こえてきた。
上之宮と、ひかるの声だ。