死体お一人様
プロローグ
死体、それは体温のなくなった塊
感情もない、痛みも感じない、ただ1つあるとすれば、死の直前に感じた苦痛の表情
だらしなく開かれた唇は乾いて、血色を徐々になくし、唾液があふれ出していた
俺はこのような死体を気持ち悪いとも不気味だとも思わない
なぜなら俺はもっと酷いものや、もっと細切れになったような死体を365日毎日見続けているからだ
こんなにもハッキリ人間の形を保ったままの死体など、俺の中では最高に綺麗なほうである
人間というのは、実に簡単に死んでしまう
頭のいい動物なのは確かだ
ではライオンに襲われたら?
像の団体様に突進されたら?
ある日森の中熊さんにであったら?
スピードもパワーも人間は勝てないのだ
まぁ人間批判をしていても仕方がない
俺も人間としてこの世に生を受けた存在なんだ
そもそも俺がなぜ365日死体と出会うのか
某アニメのように向かった先で殺人事件が起こって解決にするような男じゃぁない
死体の方から俺の所にやってくるというか…
あ、別に頭のおかしい奴、とか、厨二病患者、とかそういうモンじゃない
”死体を見てくれって、俺に遺族がやってくる” もんでね
さぁ今日も仕事だ
家のチャイムがまた鳴った
はいはい、今は死体お一人様診察中ですよ
少々お待ちを