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キミがいるセカイ 『天使と悪魔』

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天使と悪魔



子どもはみんな天使だ。
…なんて誰が言ったのか。

 いつも通り、仕事でくたくたになった体にムチを打ち、保育園へ子どもたちを迎えに行く。私の顔を見た途端、ぱあっと満面の笑みで私に駆け寄ってくる、竜輝と千恵。
 ピョンピョンと飛び跳ね、喜ぶ姿に、仕事の疲れも吹っ飛ぶ。
「竜輝、千恵ちゃん。」
 声をかけると、キラキラした目で千恵が聞いてきた。
「ねえ、ばーちゃんちに行く?」
「…えっ?」
「ちえちゃん、ばーちゃんちがいいなぁ。」
(あぁ、もう…)
 なんていうか、超がっかり。吹っ飛んだはずの疲れが倍になって戻って来る。

 家に帰ったら帰ったで…。
 溜まりまくった洗濯物。見るだけでうんざり。
(いや、まだいける。)
 そう思いながら、保育園からの洗濯物を無理矢理押し込む。

そして待ったなしで、飛んでくる千恵の甲高い声。
「おなかすいたよー!」
「背中とおなかがくっつくんだよー!」
(イラッ…)
「ちょっと、待ってくれるかな~?」
 子どもたちの催促の声を聞きながら、台所に立つ。