拝み屋 葵 【壱】 ― 全国行脚編 ―
方言解説 〜 嫁取物語
「せんせーらかね?」…先生ですか?
やいや…愛を込めた挨拶。多く繰り返すほど気持ちが強いらしい。
愛というより、友情? 親愛? そんな感じ。
なまら…たくさん 驚くほど
これは北海道原産かと思っていたら、新潟原産だったらしい。
北海道への屯田・入植時に新潟から多く移ったのではないかと思われる。
サーメ…寒い。
あえべ(や)…一緒に行こう(来い)
「立ち話もなんら」→新潟弁では語尾のダ行はラ行に変換される。
そんねがんだて…そんなことはないって
がん…『もの、こと、の』などをガンという こんガンなに?(これなに?)
おんしゃ…あなた・おまえ
すたろもせ…でも・けれども 接続詞
けっぺらぐねすけ…気配が無かったから
もじけてんなぃや → 「もじける」
もじける…機嫌が悪い すねる
こと…「を」 コーヒーこと飲むか? コーヒーを飲むか?
おせねる…教える
(ら)すけ…〜(だ)から
おめさん…あなた
ばっか…だけ
らけ…語尾。〜です・ます
こんがに…このように
おったは…自分たち(の地域・家系)は
らろも…けれど
せば…そういえば
居(え)なくなった…新潟方言では、『イ』と『エ』の区別がほとんど無く、「エろイんぴつ(色鉛筆)」などが有名。エろはにほへと
「狐の嫁入り」
遠くに見える灯火の行列のことを示す。
いわゆる天気雨を示すのは、天気雨が降ったときには狐の嫁入り(行列)が行われているとして、「あ、狐の嫁入り(がどこかで行われている)だ」となったのではないでしょうか。
正しい意味であるとは限りません。
ご注意ください。
作品名:拝み屋 葵 【壱】 ― 全国行脚編 ― 作家名:村崎右近