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関西夫夫 豆ごはん

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「それ、一部、動物のとこにも寄付したってくれ。犬と鶏がらのごはんぐらい出したったらええ。」

「せやな。人間だけやあらへんもんな。おおきに、水都。」

 俺の旦那は、優しいお人よしなので、そう言って微笑む。俺の世話をするのが生き甲斐と言い切るあほなので、その気持ちは大切にしたい。毎月、というところが、俺の旦那のええとこや。一度じゃなくて、復興できる目処が立つまで、と、思っている。だから、毎月少しずつなのだ。それがわかるから、俺も微笑む。

「そのうち、鶏がらが大挙して奉仕してくれるんちゃうか? 」

「いらんわっっ。おまえがせぇー。」

「ああ? 奉仕? 『いらっしゃませーはじめてですかぁー? システムの説明をさせていただきますねぇー』 て゛、ええか?」

「やれるもんならやってみー」

「おう、やったろーやないか。風呂でええか?」

「まあ、妥当なとこやろな。」

 くだらない会話のうちに食事は終わった。俺が洗い物をしているうちに、旦那が風呂の仕度をする。お湯を貯めるだけなので、すぐに戻って来た。

「明日、ラブホ行かへんか? マットで泡あわして欲しい。」

「はあ? 鶏がらでアワアワって、どんだけマニアックなもんリクエストしてんね? おまえ。」

「ええやろ? 俺の趣味は、鶏がらとエッチすることやねんから。」

「・・・・・・今度、南港へコンクリ抱いて沈み、花月。きっと真人間に戻るわ。」

「できるもんやったらやってみぃ。はははははは。」

 豪快にツッコミ返して、花月は大笑いしている。ほんま、こんなおかしな人間、他にはおらへんと思うんよ。

作品名:関西夫夫 豆ごはん 作家名:篠義