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ゆうたろう
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novelistID. 26408
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長い夕やけ、海の下

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出会いはまだ夏。

8月の終わりだった。

私はその頃、赤坂にあるキャバクラで働いていた。

大手の会社を自主退職し、当時ハマっていたビジュアル系バンドのライブに通っ
ていた。

俗に言うおっかけ、である。

しかしながら私はおっかけという言葉が嫌いだった。
必死なんだけど、必死な感じがするから嫌、とかわけのわからない理由。

ビジュアル系バンドっていうのがまた、ファンがほんとに10人くらいしかいない
バンドだったから、メンバーとも仲良くしていて、

『ただのファンじゃないからおっかけって言わないで!』

という誰にむかって言ってるんだかわからないような、そんなちょっとつっぱっ
たような子だった。

誰も私たちのことおっかけなんて言わないし思ってもいなかったと思う、規模が
小さすぎて。

そんなわけでまぁ、時間に融通がきいて、時給もそれなりによくて、はじめたキ
ャバクラだった。

その赤坂は、何店舗かに移ったところだった。

そこで出会って3人の女の子。

その出会いが私の人生を変えていった。
悪い意味でなく。

神様が扉をあけたように、そこで出会っても出会っていなくても、
どこかできっと繋がっていたように思う。

作品名:長い夕やけ、海の下 作家名:ゆうたろう