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学園を制し者 第二話

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「さっき言っただろ……お金を少しでも節約したいんだって、特に今月はもう金がない」
「ふーん……まぁどうでもいいけどな! それより今日カラオケいこうぜぇ!」
「……お前は人の話を聞いてなかったのか?」
「ふっ、六車の頭は鶏並だからな」
狭山が言いたいのは、三歩あるいたら忘れてしまうってことだろう。
いくら健太バカでもさすがにそれはちょっとかわいそ……
「はぁ!? 俺の頭にトサカなんかついてねぇよ!」
…………訂正、健太の頭は鶏以下だ。
「てか、金がないからって話だろ?」
「……なんだちゃんとわかってたんじゃないか」
「あのなぁ……馬鹿にしてんのか?」
「いや、こけにしてる」
「なんだそうだったのか……って! もっと酷いじゃねぇか!」
健太は疲れた溜息をついた。 
「そうじゃなくて今日は俺がおごってやるって言ってんだ!」
「マジでか!」
「ああ! 今日の俺は機嫌がいいからな! この熱いパトスを叫びたい気分なんだ!」
健太は写真を大切そうにポケットにしまった。
「狭山も行くか? おごってやるぞ」
無駄に偉そうに狭山に言う。
「いや、今回は丁重にお断りさしていただこう。俺はまだ用事が残っているのでな」
「そっか。じゃあ、しゃーねぇな!」
「あっ! そういや俺も……」
「んだよ! しんも何かあんのかよ?」
健太が不満そうにぶーぶーとわめいている。
(…………まぁ、急ぎじゃないし……)
「いや、やっぱり俺は行く」
「おお! さすがはしん! じゃあ、さっそく駅にくりだそうぜ!」
ハイテンションで手を掲げる健太。
「では、俺に気にすることなく楽しんでくるがいい」
「ああ、またな」
「うむ、また依頼を頼むことになつだろう」
こうして、俺と健太は狭山を一人部室に残して学園を出た。


ちなみに、翌日の校内新聞のタイトルは

『真相あばく! 横暴学園長の秘密 ~学園ヒーロー登場と二宮金次郎像にかぶされたカツラの謎~』だった。

写真に写った挙動不審に車に乗り込む学園長は頭がまぶしくて見れなかった。
作品名:学園を制し者 第二話 作家名:hirooger