小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

キミがいるセカイ 『見えない誰か』

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 


「あんたも一緒にと思って。まあ、仕事が忙しいだろうけぇ、無理せんでいいよ。」
「ほうじゃねぇ、ちょっと待って…。」
 勤務を確認しようと思って手帳を探す。そんな時に、2歳の千恵が私の足にからみついてきた。
「かーちゃん!あっちに誰か来たよー!」
 見ると、足に巻きついた千恵がにこにこしている。
「はあ?どこに。」
「お風呂場かなぁ、分かんない!」
「何言ってんの?」
「千恵ちゃんも、もしもしするぅ!」
 千恵は私から電話を奪い取り、祖母と何やら話している。
「ばーちゃん、あのねぇ、千恵ねぇ、いい子しとったよー!」
「千恵ちゃん、ちょっと代わって。」
 千恵は私に電話を渡すと、電車で遊ぶお兄ちゃんのほうへと走り去っていった。
「その日なら行けると思う。」
 集合時間などを確認して、電話を切った。
「かぁーちゃぁーん!!」
 千恵がドタドタと走ってきた。
「どうしたの?」
 私が言い切る前に、飛びつかれた。
「かーちゃん、さっきの人帰っちゃったよー!」
「ええっ?」
(またその話?)
 とも思ったが、本当に知らない人が入ったのでは、と少し怖くなり、玄関から見てまわった。
「ねえ、千恵ちゃん、どんな人が来たの?」
 千恵は、目をきょろきょろさせた。
「うーんと、真っ白いおじーちゃん。」
「おじいちゃん…。」

ああ、1周期の祖父が遊びにきたのかな。
そう思うと、すんなり納得できた。

それにしても、子どもたちの見ている世界と、私たちが見ている世界は全く違うんだろうな…と考えさせられます。