喫茶銀河「いつも私だけを見ていて」
「いつも私だけを見ていて」
喫茶「銀河」は今日も賑わっている。店内は、まさに銀河を彷彿とさせる別空間。オーナー兼マスターの結城が自分の永年の想いを込めて、5年前に開いた店だ。都会にありながらまだ緑がかなり残るこの辺りは彼の希望どおりだ。喫茶「銀河」は15年間サラリーマン生活をしていた彼の念願の夢が果たされた場所なのだ。いやもっと昔、少年時代にいつも描いていた銀河への夢なのかもしれない。
ここのコーヒーは美味しい、お客のイメージにあわせてカップを用意してくれると、いつの間にか口コミで広がり、かなり有名になった。
しかも、客の一人が自分のブログで「銀河」を紹介してくれたので、ますます人気は高まるばかりだ。顔なじみになったお客のひとりひとりが結城の大切なゲストだ。そして初めて訪れてくれるお客も又新鮮な感動をもたらしてくれる。
本当にありがたいことだと結城はいつも感謝している。今日も香り高いコーヒーを淹れながら店内を見回す。1年前に入ったウエイトレスの久美が明るい笑みできびきびと動いている。
平日の午後3時はゆったりまったり時が流れていく。店内に緩やかに流れる音楽にひとりで耳を傾けながらコーヒーを味わっている客。友達や夫婦で静かにお喋りしている客。
マスター結城は、コーヒーを淹れながら様々なお客の人生に思いを馳せる。最近の久美は、お客の雰囲気を読むのがすっかり上手になって的確なカップを選んで出す。
「まあ、私の好みにぴったり!」
女性客は一概に喜ぶ。男性客も「銀河」イメージに心躍らせる。
ここには、なんともいえない温かい空気が流れているようだ。これが幸せというものなのかと結城はしみじみ嬉しくなる。
午後3時を超えた頃、ドアが開いて一組の男女が入ってきた。およそ60代かと思われる熟年夫婦だ。そういえば今日は木曜日。毎週この時間に現われる。ご近所なのか。もう、定年退職した夫が妻と仲良く週に一回「銀河」のコーヒーを飲みにくるようだ。白髪の混じった男性は背が高く姿がいいし、なかなかの男前だ。妻のほうは色白で可愛らしい顔立ち。このての顔は歳をとらないようだ。
「いらっしゃいませ」
久美がお絞りを持って近づく。二人の座る席はいつも決まっている。
喫茶「銀河」は今日も賑わっている。店内は、まさに銀河を彷彿とさせる別空間。オーナー兼マスターの結城が自分の永年の想いを込めて、5年前に開いた店だ。都会にありながらまだ緑がかなり残るこの辺りは彼の希望どおりだ。喫茶「銀河」は15年間サラリーマン生活をしていた彼の念願の夢が果たされた場所なのだ。いやもっと昔、少年時代にいつも描いていた銀河への夢なのかもしれない。
ここのコーヒーは美味しい、お客のイメージにあわせてカップを用意してくれると、いつの間にか口コミで広がり、かなり有名になった。
しかも、客の一人が自分のブログで「銀河」を紹介してくれたので、ますます人気は高まるばかりだ。顔なじみになったお客のひとりひとりが結城の大切なゲストだ。そして初めて訪れてくれるお客も又新鮮な感動をもたらしてくれる。
本当にありがたいことだと結城はいつも感謝している。今日も香り高いコーヒーを淹れながら店内を見回す。1年前に入ったウエイトレスの久美が明るい笑みできびきびと動いている。
平日の午後3時はゆったりまったり時が流れていく。店内に緩やかに流れる音楽にひとりで耳を傾けながらコーヒーを味わっている客。友達や夫婦で静かにお喋りしている客。
マスター結城は、コーヒーを淹れながら様々なお客の人生に思いを馳せる。最近の久美は、お客の雰囲気を読むのがすっかり上手になって的確なカップを選んで出す。
「まあ、私の好みにぴったり!」
女性客は一概に喜ぶ。男性客も「銀河」イメージに心躍らせる。
ここには、なんともいえない温かい空気が流れているようだ。これが幸せというものなのかと結城はしみじみ嬉しくなる。
午後3時を超えた頃、ドアが開いて一組の男女が入ってきた。およそ60代かと思われる熟年夫婦だ。そういえば今日は木曜日。毎週この時間に現われる。ご近所なのか。もう、定年退職した夫が妻と仲良く週に一回「銀河」のコーヒーを飲みにくるようだ。白髪の混じった男性は背が高く姿がいいし、なかなかの男前だ。妻のほうは色白で可愛らしい顔立ち。このての顔は歳をとらないようだ。
「いらっしゃいませ」
久美がお絞りを持って近づく。二人の座る席はいつも決まっている。
作品名:喫茶銀河「いつも私だけを見ていて」 作家名:haruka