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僕らのL-S 外伝・・・新田と早乙女 1

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天羽入学




あっという間に2ヶ月がたち、天羽学園中等部入学式当日。
制服に身を包み、迎えの車に乗る。
天羽学園はどっかのお偉いさんの子供が通っているような学校だったから、オレみたいなじいや付きも珍しくなかった。

学校に着くと、じいやが教員室へ連れて行ってくれた。
「おはよう。君が新田司くんだね」
一人の教師がオレにあいさつした。
「新田司です。よろしくお願いします。」
入学までの2ヶ月、死にもの狂いで日本語を勉強したんだ。
「まだ日本に慣れてないと思うけど、何かあったらボクに相談してね。ボクは国語も担当してるから。」
言葉で困ったら聞きに来いってことか・・・。遠藤真というその教師にありがとうと返事をすると、じいやはオレを講堂まで連れて行ってくれた。


「私はここで失礼させていただきます。ぼっちゃま、がんばっていってらしてください。」
講堂へ着くとじいやはオレを置いて車へと戻って行った。


ここ天羽学園は小中高の一貫教育の男子校だった。中等部は3年あって、1学年8クラスだ。オレは1組だった。帰国子女がくるという噂は小等部のときから話題だったらしく、オレが講堂へ入るとみんながオレに注目していた。

うざったい・・・。

エスカレーター式のこいつらとは違って、オレはちゃんと入試を受けて入ったんだ。気にすることはない。

式の間、周りからの痛い視線を受けつづけて、帰りたくもなった。


式が終わり教室へ向かう。教室へ入ってからもウザい視線は変わらずだ。

一人の生徒が話しかけてきた。助かった事に英語だ。

『イタリアから来たんだって?』

まぁ・・・と答えるとそいつは笑いながら言ったんだ。

『しばらく途中編入の生徒いなかったからみんな珍しいんだよ。それに向こうが長い生徒
っていうんで余計にね』

園田光というこいつは、フランスとのハーフ。やはり天羽に小等部の時に編入してきたらしく、オレの立場を分かってくれている。同じ境遇というのもあって、こいつとはすぐに打ち解けられそうな気がした。

「席について~。」

担任らしい女教師の声でみんな席に着いた。



その日は午前中で終わったが、オレにとってはものすごい長く感じた。
園田とオレが打ち解けたことで、他の連中もオレに寄ってきていろいろ質問責めだった。
興奮しているせいで、みんな早口でその言葉を理解するのに時間がかかった。途中園田が助けてくれたが・・・。毎回というわけにはいかないだろう。