嘘と上書きと宇宙人
嘘つきが泥棒の始まりだと言うのなら、おれの友だちはとっくにネズミ小僧かルパンになっているんじゃないだろうか。
「黙ってて悪かったけど、僕、宇宙人なんだ」
如月のこの宣言を聞いたときにこんな考えが浮かんだおれは、我ながら妙に冷静だったと思う。慣れたものだ。
おれのリアクションが鈍いのを意外に思ったのか、隣を歩く如月はわざわざ一歩前に出ておれの表情を覗き込んでくる。
「渡辺くん、話聞いてた?」
「ああ。おれはてっきり、おまえがネズミ小僧かルパンなのかと思ってたからさ、意外だったよ」
おれの返事は如月にとって意外だったようで、大きくまばたきをしてから言う。
「渡辺くん、君ってずいぶんおかしなことを言うんだね」
「おまえにだけは言われたくないね」
おれたちは互いに顔を見合わせたあと、ほとんど同時に吹き出した。
「黙ってて悪かったけど、僕、宇宙人なんだ」
如月のこの宣言を聞いたときにこんな考えが浮かんだおれは、我ながら妙に冷静だったと思う。慣れたものだ。
おれのリアクションが鈍いのを意外に思ったのか、隣を歩く如月はわざわざ一歩前に出ておれの表情を覗き込んでくる。
「渡辺くん、話聞いてた?」
「ああ。おれはてっきり、おまえがネズミ小僧かルパンなのかと思ってたからさ、意外だったよ」
おれの返事は如月にとって意外だったようで、大きくまばたきをしてから言う。
「渡辺くん、君ってずいぶんおかしなことを言うんだね」
「おまえにだけは言われたくないね」
おれたちは互いに顔を見合わせたあと、ほとんど同時に吹き出した。