マジェスティック・ガールEp:1 まとめ
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ここに一つの林檎がある。
ここに、二人の旅人がいる。
乾ききった顔で、荒野のど真ん中をたった二人で歩いている。
水も尽き、最後に残った食料はたった一つの林檎のみ。
二人で半分に分ければ、命を繋ぐことはできるが、それでは共倒れになってしまう。
目的地である街へたどり着くには、この林檎一個分のエネルギーが必要なのだ。
つまり、二人のどちらかが犠牲にならなければならない。
相手に林檎を与え自らを諦めるか、それとも相手を殺して林檎を独り占めするか。
または、前者二つを良しとせず、二人で一緒に死ぬか…。
『少女』は、その三つの選択肢全てを、『笑顔』で受け入れられる子だった。
『笑顔』で自分を諦め、『笑顔』で相手に殺され、『笑顔』で一緒に死ぬ。
優しく、気高く、誇り高く。
我が身を顧みず、他者に分け与え、他者の為に死ねることが出来る――。
ミミリ・N・フリージアは、そういう『少女』であった。
作品名:マジェスティック・ガールEp:1 まとめ 作家名:ミムロ コトナリ