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ミムロ コトナリ
ミムロ コトナリ
novelistID. 12426
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マジェスティック・ガールEp:1 まとめ

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「女性は歳相応の自然体で振舞うべきだって、お母様もいってました。でも、凛さんって見た目若いし、全然行けてますよ。そう気を落とさないでくださいね。
ヒューケインさんみたいに、熟女好きな殿方もいますから大丈夫ですよ!」
 グサッ×3!!
 バキンッ。
「…あ。…ああっ……」
「うわぁっ!凛ッ、しっかりしろっ!」
 心を打ち砕かれ、その場にヘナヘナと崩れ落ちた凛を、ヒューケインは慌ててとっさにだき抱えた。
「あれ?どうしたんですか、お二人とも?ダンスの練習ですか??」
「やっかましいわ、この天然ッ!さっきからとんだ失礼な奴だな!
うちのねえちゃん、ドSだけどな、こう見えても打たれ弱いんだぞ!?」
「誰が、熟女だぁ〜〜っ!失敬な、私はまだ17だぞぅ!うら若き少女なんだぞぅ!」
 凛は、目頭に涙を浮かべ半泣きになっていた。
 収拾がつかなくなってきたこの状況を、ヒューケインは咳払いをして仕切り直す。
「んんっ。ともかく、俺にはそんな特殊な性癖はないの。普通の定義は元より、俺は普通の男性のように、普通の女性が好きなんだ。はぁ…俺の言い方、わかりづらいかなぁ。それとも俺をからかってんの君?」
 さすがのミミリも、ささくれだったヒューケインの態度を見てしまったと思った。
 後ろでは凛が、「熟女…。私は、熟女。熟れた女と書いて、熟女。はははは…」
となにやら沈んだ暗い表情でブチブチと呟いている。
「あ、いえ…スイマセン。そうですね誤解してました。私、思い込みが激しくって。失礼なこと言って、ほんとうにごめんなさい。凛さんにもあんなことを言って…」
「まぁ、いいってことさ。俺も凛も(たぶん)気にしてねぇよ。悪い、こっちも気遣いが足りなかったよ。ミミリちゃんも、そういう性的なこと、嫌な年頃だもんな」
 ――どうやら、誤解は解けたようだ。
 やれやれと、ヒューケインはコ―ラのボトルを手に取り、やおら煽った。
『普通に会話をしたいだけなのに、なぜここまで拗れるのだろうか』
 ヒューケインには、全く不思議でしょうがなかった。
「…分かりました、訂正します」
「え?」
「ヒューケインさんは熟女も好きだし、同い年も好きだし、ロリも幼女も、おまけに自分のお姉さんも全然行けるってことですよね…」
「はい?」
 話の雲行きが怪しくなっていくのをヒューケインは感じた。
「つまり、女性という生き物が大好きなんですね!?
うわぁー…、いよいよ持ってストライクゾ―ンが全方位じゃないですかぁ〜…」
 ブフゥ――――ッ!
 ヒューケインは、口に含んだコ―ラを盛大に吹き出した。
「女の子だったらなんでも構わないなんて、完全に変態じゃないですかッ!
ああっ!もしかしてお二人は、もうすでにアッチ系な関係で、すでに出来ちゃってるんですか!?不潔ですぅ―――!なんだかんだ言って仲いいですし、さっきもベタベタしてましたし。うわぁ、やだぁ。近親相◯ですぅ〜、節操無さすぎですぅ。絶対おかしいですよ―――!」
 ――誤解は全く解けていなかった。というか、やはり話が通じていなかった。
 そして、さらに事態が悪化した。
 ロリからペドを突き抜けて、マルチな年齢に通じた近親相◯の節操なしの変態にレベルアップである。
 ミミリは間違いなく天才だった。話をカオスな方向へ持っていく。
 「は…ははは…は」
 ヒューケインは、乾いた笑いを漏らしつつボトルを握りつぶし、思い切り床に叩きつけた。今まで紳士的に振る舞うことに務めていた彼だったが、さすがに我慢の限界だった。
「だぁぁ―――らッ、ボケんのも大概にしろよ、この天然ッ!いい加減、とっちめるぞこんクソガキがぁ―――!」
「ひぇっ!?うわぁぁぁん。怖いようッ!ヤンキ―が怒ったぁぁ―――!」
 ヒューケインの剣幕に身の危険を感じたミミリは、飛ぶように走って逃げ出した。
「ヤンキ―って言うんじゃねぇ、この天然120%娘ッ!いや訂正するぜ、この腹黒娘。てめぇ、本当は判っててわざとやってるだろ!待ちやがれ―――ッ!!」
「ウワァァァン。違いまよォォ―――ぅ!!」
 この後、ヒューケインは逃げ惑い泣きじゃくるミミリを捕まえて、なだめるのに小三分程費やしたのであった。
 凛は、まだ心のダメ―ジが癒えず「じゅくじょ―×2、じゅくじゅくじょ―…♪」と
訳の分からない歌を、うつろな目で口ずさんでいた。