看護師の不思議な体験談 其の十四
看護師の不思議な体験談 其の十四
産科のイメージというと、『出産、幸せ、母性愛』等々でしょうか。
ただ、それは、母体・胎児ともに、妊娠・分娩・産後すべてが健康で正常経過であれば、の話だと思います。現実は、そうでないことも多々あります。
元気に産まれてくる命もあれば、そうでない場合もあります。流早産、中絶、死産、など。また、無事に出産しても、育児放棄や産後うつ病の発症だったり。児に関しても、想定外の心身障害を合併していたり。
勤務していて、避けては通れない事例はいくつもあります。
けれども、私たちが関わるのは、その方の人生のうちの一瞬です。
その一瞬に対して、医療者がどれだけ真摯に向き合うかによって、母子とその家族の今後の流れが変わっていくのではないかと、私は考えています。
作品名:看護師の不思議な体験談 其の十四 作家名:柊 恵二