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頑張ってる理由

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頑張ってる理由



 長男の竜輝が5歳、その妹千恵が3歳。そして32歳の私と夫の4人家族。
 特別大きな出来事もなく、平凡な日常生活。

 朝早く起きて、旦那を含め4人分の朝食と弁当の準備。自分は食パンを口に押し込みながら着替えと化粧を済ませる。寝起きの悪い子ども2人をたたき起こし、あとは夫にまかせて、家を飛び出す。
 ギリギリで職場に駆け込む。終わりの見えない大量の業務にぞっとしながらも、がむしゃらに仕事をこなす。
 仕事を終えたら保育園へ直行。1分でも遅れたら驚愕の請求書が届くため、お迎えは命がけ。ヘトヘトの体にムチを打って、保育園まで自転車をこぐ。
 カラスの行水程度の風呂に入り、子どもたちと一緒にはしゃぎながら、そのまま布団へ3人で潜り込む。子ども2人にはさまれながら手をつなぎ、その温かさに安心して、あっという間に眠ってしまう私。

 たまに近所にある実家へ行くと、祖父母の呆れ顔。
「もう、竜輝も千恵もこっちに泊まらせたらいいのに。」
 そう言われるが、それはできない。そこは譲れない、私の意地というか、私の我がままというか。寝る時くらい子どもたちと一緒にいたいのよ。

作品名:頑張ってる理由 作家名:柊 恵二