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i feel the gravity of it all

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ロマさんが最初から最後までひとでなしみたいな話になってしまいましたが、戦争やら何やらで散々人生を振り回された俺こと舞(まい) 天原(あまら)の半生がミソのお話なので、それでいいかなと思いました。ロマさんもロマさんで人生いろいろあったけど、それはロマさんの話であって、天原はそんなこと欠片も知らないし、知りたくもないだろうと。
正直、天原よりロマさんのほうに思い入れがあるので、それが本編に滲み出てしまっているのが心残りです。ロマさん変わったんだよ!っていうのはしっかり描写できてたと思うんですけど、その分天原のキャラクターが定まらないって言う……。(中二病と)悲壮感に満ちたモノローグから、なんとかのらりくらり生きていけるくらいには成長したんだよ、ということが伝わればいいなぁと思います。伝わりそうにないのでここで言ってしまいます。
この世界観において、やはり一番ウエイトが重いのは“先の大戦”で、それに関わって悲しい思いをしたことのない人はいないので、こんな後味の悪い話になりました。ちーん。
あ、いちばん書きたかったシーンは、「ガキ一人殺しても、面白くねーと思ったんじゃないの」です。これを言わせたかったためにこの話を書きました。なんて外道!
折角の中二病設定が生かされてない!と思ったかたが居るかもしれませんが、能力がどうのこうのは、戦争で有利かそうでないかだけの違いなので、平和になった世界では、小指の第一関節だけ曲げられる特技があるかないか、そんな程度のことなんですよ。まぁ何が言いたいのかというと、人と違う何かを持っていたとしても、そんなものちょっとの価値もない、みたいな。本人たちにとっては余計なオプションでしかなかったわけですよね。能力がなかったら、天原もさくっと家族の元に行けたかもしれないし。それが良いか悪いかは本人にも判断つかないようなところなので、私にもわかりませんが。
今回はひたすらかわいそうな人の話にしよう!と最初から考えていたので、戦時中の能力者バトルの話とかにすれば、この設定も生かせたかもしれないですね。どうでもいいけど。

2011.04.12. 塩出 快
作品名:i feel the gravity of it all 作家名:塩出 快