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ますら・お
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novelistID. 17790
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シャルラロハート 第一幕「少女と騎士(ドール)」

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しかし、隣の優華は昨日の今日の事なので、どうも話のスケールの大きさに理解が追いついていないようで、先ほどから目を点にしてミラの話を聞いている。
ミラはあくまでも暁に対して話しているんだ、という素振りで優華の様子を気にも留めずに話を進めていく。
「爆弾の存在に気づいた時には、多くの人々がその身を炎に焼かれて死んでいった。地獄の業火の後に残されたのは数万の僅かな人々と、汚染され向こう数千年誰も住めなくなった土地だけよ。結局、“生存競争という争い”では共倒れ寸前だったわ。そこで私達は考えたの、地球の浄化作用によって汚染が消え去るまで眠ろうってね」
「他の人と同じく、ミラも現代に至るまで眠り続けたと」
「そう。ただ、アリオンの脅威が完全に消えたと確証が持てなかった。だから私達管理者は残された数少ないドールと共に永い眠りにつくことになるの。私も必要な教育を受けて、ローゼを開発者達に託されて眠りについたわ」
「その読みが当たった訳だ。アリオンは現代になってその姿を現すようになった」
「当たっても嬉しくないものが当たっちゃったけどね。これから何故、彼らが姿を現すようになったかを探らなければならないわ」
確かに、と暁は思った。アリオンが何故現れ始めたのか原因を探らなければならない。もし、その原因を探り当て、断つことができるならそれに越した事はないのだ。
「分かった、出来る限り俺も手伝う。しかし、当てはあるのか?」
問題はそこよ、とも言いたげにミラは首を横に振る。
「ってことはシラミ潰しに探ってくしかないって事か……」
アリオンがどこから現れて、何を目的に行動しているのか分からない今、少しでも何かの証拠があればいいのだが、現実は中々厳しい。
「他の仲間に会えれば……。何かしらの情報を掴んでいるかもしれない……」
呟くようにミラが喋った。
ミラの言う仲間が暁達と同じ目的で行動しているのならば、何かしらの情報を掴んでいるのかもしれない。もし、情報が駄目でも味方となってくれるのならば、それはそれでいい収穫になるはずだ。
「ねぇ、暁。取り敢えずは動いてみないとどうにかならないってことじゃないの?ほら、ここで考えてても解決できるようなことじゃないみたいだし……」
優華の言う通りだ。ここで考えていても何かが解決する訳でもないのだ。
「そうね、早速今日の夜からアリオンの活動を監視してみるべきね。それでいいでしょマスター?」
「ああ」
これからしばらくは学生として日中を過ごし、夜はローゼとして行動するというアメコミにでもありそうな設定の生活を送る事になる訳だ。
忙しい毎日になりそうだと暁はつくづく思った。