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ワールド・トゥ・ワールド 第一話

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              小説 ワールド・トゥ・ワールド

              作者 Graviton

              第一話 人生の転換期(ターニング・ポイント)


ある塾からの帰り道、俺は何を思ったかいつもと違う帰り道を通って帰ろうとした。

やっぱやめておくべきだったな・・・

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「たまには違う道から帰るのも悪くないな。」
俺は何か面白い事でもないかと別の道から家に帰っていた
そして、実際に事件を目にしてしまった
青というより水色に近い髪をした白いワンピースを着た少女が黒いコートに黒マフラーそして黒い帽子をかぶった奴見るからに怪しいとにらみ合っていた。
黒コートの手には銀色に光るナイフが握られている。
明らかにヤバイ状況だ。
(何とかして助けないと!)
そのとき俺の頭には自分が危なくなるなんて事は考えてなかった。
「おい!何をしてるんだ!」
俺は黒コートにむかって叫んだ
「!」
黒コートがこっちを向いた。
「君!何をしてるの!?早く逃げて!」
青髪の少女がそう言ったが俺は
「君こそ逃げろ!俺は大丈夫だ!」
正直何も策はなかったが彼女より俺が犠牲になったほうがいいに決まってる。
それに俺の方が助かりやすいだろう。
そんなことを考えていた。だが、甘かった。
黒コートがありえない速度で迫ってきた。5mはあった距離が一気に縮まる。
(人間技じゃねえだろっ!?)
そして黒コートはナイフを俺に刺した。
心臓のある位置に向かって。
一直線に。
「かはっ」
ナイフが深々と刺さった位置からは血が噴水のように湧き出ている。
(死ぬ・・・のか。いや、せめてあの子だけは助けないと犬死にじゃないか・・・。)
俺は最後の力を振り絞りコートを掴もうとした。
だが、掴めなかった。
(畜生ぉぉお!)
そこで俺は永い眠りについた。

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(どうしよう、無関係な人を巻き込んでしまった・・・)
少女は自分を責めた。
(私がさっさと決着をつけなかったからだ・・・[アレ]を使用するしかない・・・)
そして少女はとある禁呪を使用した。
[魂操作の呪文]を・・・

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「起きて、お願いだから、起きて!」
さっきの少女が泣きながらそう言っている。
(よかった、犬死ににならずにすんで。でも俺は、もう・・・)
俺は体を起こし、周りを見た、
向こうに赤い血の水たまりに浮かぶ見慣れた少年、要するに俺がいるのが見えた。
でも、彼女はそこではなく俺の横に・・・あれ?
「よかった・・・禁呪が成功して。」
(禁呪?成功?第一、死んだはずの俺がなんで見えて・・・)
そして彼女は俺に抱きつき、
「よかった、本当によかった・・・。」
といいながら涙を流している。
(死んだはずなのにどうして触れるんだ・・・?)
そう思って自分の手を見るが別に透けてもいないし、地面を貫通もしない。
どうやら生きているようだ。
心音を確かめようとして違和感を感じた。
(何でさっきの奴のコートを・・・そういやさっきの奴もいないし)
「って、どうなってるんだ!?」
思わず俺は叫んだ。
すると少女が一瞬びくっとして、それから
「あっ、ごめん。説明がまだだったよね。」
俺は尋ねた。
「俺はどうなったんだ?それに禁呪とか成功ってどういう事だよ!?」
「うん・・・びっくりせずに聞いてね。君の魂を・・・さっきの人の体に移し変えたの。」
「えっ?」
驚かないほうがどうかしてるような思う事を少女は言った。
ふつうならそんなことを言われたって信じないが状況が状況だ、俺はそれを信じるしかなかった。
「禁呪ってのは魂操作の呪文の事、そしてそれが成功したから、今あなたが生きているの。」
つまりは彼女が俺を助けてくれたらしい。
「助けてくれてありがとう。」
いつもよりも高い声でお礼を言った。
「えっ、そんな、私のせいで死んだのに。私が謝らないといけないのに。」
「でも、助けてくれたんだし、それに禁呪って言うぐらいだから危ない呪文なんだろ?」
「確かにそうだけど・・・」
「じゃあおあいこって事にしようぜ。」
なんて言おうが命の恩人には変わり無い。それに助けに入ったのは完全にただのお節介だ。
「そういえば、君はなんて名前なの?」
彼女が尋ねてきた。
(あ・・・自己紹介まだだったな〜(汗))
「俺は・・・あれ、男にしては声高すぎないか?こいつ。」
男としてはあまりに高すぎる声に俺は首をひねった。これじゃあむしろ・・・
「え?[それ]にも気づいてると思ったのに。」
([それ]とはいったいなんなんだ?まさか・・・。)
冷たい汗が頬を伝う。
「実は・・・襲ってきたのは・・・少女だったの・・・。」
(少女に殺しをさせるなんて許せないな・・・いや、今は俺がその少女・・・え!?)
俺はおそるおそる股間に手を当てた。
(無い・・・いつもならあるはずのアレが・・・無い!)
そして俺は本日二度目の気絶をする羽目になった。

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(・・・もう朝か・・・。)
見ると外はもう明るくなり始めている。
(昨日は・・・あれ、何で外にいるんだろう?)
あたりを見回すと黒ずんだシミの中に倒れている少年の・・・
「うわぁぁあ!!」
俺は後ろに跳んだ。もちろん目は覚めた。
(そうだ、刺されて、生きかえって、そして・・・)
俺は自分の股間を確かめたがやはりアレはなかった。
(少女になってしまったんだっけ・・・。)
俺が改めてがっかりしている間に青髪の少女も目覚めたらしく、
「あ、おはようございます。えっと〜君は?」
(そういや結局自己紹介してなかったな。)
「俺は、藤原和也(ふじわら かずや)っていうんだ。よろしく」
正直言って、この少女に頼るしかなかった。
「君、女の子なのに和也って、変わった・・・あ!昨日は本当にごめんなさい!」
少女はまだ寝ぼけていたようだ。
「もういいって、で、ちなみに君は?」
「私は、リエラ・ケインズ・フレイクスって言います。リエラって呼んでくれていいですよ。」
俺はまず一番大事なことを聞く事にした。
「これからどうする?とりあえず親に説明したり死体を何とかしたいんだけど。」
「死体は私の住んでる世界に転送します。親には・・・何とか信じてもらうしかないですよね・・・。」
(とりあえず家帰るか・・・)
俺はリエラと一緒に家に向かった。



「ただいま」
「おじゃまします」
家ではなんと母さんと父さんが帰りを待ち続けていた。
「和っ・・・誰?」
やっぱりそうなるよな。

俺達はとりあえず顔を洗う事にした。
外で寝たから汚れていたし。
改めて見ると、リエラさんはかなりの美少女だ。
美しい水色をしたロングヘアーに、大きく輝くような蒼い瞳。そしてキメこまやかに見える透き通るような白い肌。彼女にできれば自慢どころか嫉妬で殺されそうなレベルだ。
ちなみに年はだいたい15〜6に見える。