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おやまのポンポコリン
おやまのポンポコリン
novelistID. 129
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手鏡

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 「何が悪かったんだろう・・・」
 私は落胆してその場にヘタリこんだ。
 
 
 と、その時、居間から亭主の叫び声がした。
 「おい、テレビを見てみろ!」
 
 そこに写っていたのは、信じられない映像。
 
 おそらく日本のどこかで大災害があったのだろう。
 ガレキの山と化した建物から、必死で家族を救い出そうとする者、避難所とおぼしき場所で両親の行方を必死で探す子供。炎の海と化した町を茫然と眺める人・・・。
 
 それは、この世のものとは思えぬ惨状だった。
 
 ああ、そうか・・・・と、私は悟った。
 要するに、私達の願いの優先順位が大幅に下がったのだ。
 
 私は鏡に向かって、「神様どうか一刻も早く、あの方達の願いを叶えてあげて下さい」と祈った後、「でもいつの日か、手が空いたら、私達の願いも叶えて下さいね」と、しっかり付け加えた。


           (おしまい)
 
 
 
 
 
 

 

 
 
作品名:手鏡 作家名:おやまのポンポコリン