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My fair lady

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deux

「お父さま!」
白いワンピースを翻して廊下颯爽と駆け巡り
ドタドタと素足の足音を反響させてワンピースの少女は走る
「なんだね、アイリス」
向かう先はパイプを吹かした大柄の男
転げまわりかねないような危なっかしい足どりでアイリスと呼ばれる少女はその人の下へ駆け寄る
「見てみて!このお花の色!」
と差し出す手には一輪の小さな花
「おぉ、きれいな白コスモスだな」
と返すとアイリスは少し頬を膨れて
「違うわ、白じゃなくて少しピンクがかっているの!」
大柄の男は目を細め、手元に差し出されたコスモスをじっと見つめると
「ほんとだ、これはめずらしい」
「でしょでしょ?」
アイリスはとても満足気に、少し誇らしくコスモスを見つめ
「裏の庭園で見つけたのよ。あそこには白いコスモスしか咲いていないのに、どうしてかしら」
「うーん、これは毎日花の世話をしっかりしているアイリスへのご褒美じゃないか?」
「本当に?」
「あぁ、きっとそうだろう。よかったな」
「うん!」
「叔母様にも見せに行かないと!」
アイリスは足どりを軽快にして部屋から出いくと、庭園へ行き、コスモスを植木鉢に移し変えた
「これでよしっ」
植木鉢に移し変えると、それを持って次は叔母様の下へ
「叔母様!叔母様―!
「あら、アイリス。どうかしましたか?」
アイリスの声を聞き、編み物の手を止めて声の方へと振り返る
「見てください!裏の庭園でピンクのコスモスが咲いたんです」
「まぁ、とっても綺麗」
「お父様が、毎日庭のお手入れをしている私へのご褒美だろうって」
「えぇ、きっとそうですわね。じゃあ、これからもお手入れをしっかり頑張らなくてはいけませんよ、アイリス」
「はい!」
アイリスは今まで以上の満面の笑みを浮かべて部屋を後に
すると、アイリスは戸の前で立ち止まる
「そういえば、叔母様」
「何ですか?」
はたまた編み物のてを止めて振り返る
「今度、私にも編み物教えてくださいね」
「はい、もちろんですとも」
約束を交わしたアイリスは今度こそ部屋を後にした
作品名:My fair lady 作家名:ひさぎ