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むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編3

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 サブキャラC 浅利豊夫 いけすかないチンピラ男。女好きでトラブルメーカー。
 
 「よし」
 丸山花世は頷いた。鈴木はスズキ。福田はふく。フグ。相川は鮎……魚の名前であわせる。そうすることに意味はない。ただの言葉遊びである。
 「うん。こんなとこだな……」
 小娘は自分の仕事に十分に満足している。いろいろと考えればさらに良い案が出てくる……ということは多分ない。考えても勝ち負けは五分五分。適当に思いつきでも勝率は五分と五分。であれば、感覚と勘で決めてしまうほうが時間の節約にはなる。
 「……まあいいっしょ。これで」
 さっさと決めてしまえばさっさと仕事にとりかかれる。名前は大事だが、それにこだわって時間を費やすのは愚かなこと。あれこれと考えるのは……熟考といえば言葉は良いが、結局それは自信のなさの裏返し。丸山花世に関して言えば、
 ――これでいい! 根拠なんてねーけど。
 という思い切りのよさがある。作品には技量も大事。だが。もっと大事なのは果断さ。蛮勇といっても言い。
 ――これでいいんだよ。だってそう思うもの。私が。
 都営三田線だろうが魚の名前だろうが、それでいい。作者がそういうならば、何が不都合があるだろう?
 丸山花世はもう一度頷き、それからボールペンを置いた。
 教壇の上では老婆が何か喚いているが、それがいったい人生に何の役に立つというのか。
 「む。これでよかろう」
 小娘は腕組みをして軽く目を閉じた。
 あとは……姉と協議の上でプロットを製作すればよいだけ。よいだけであるのだが……。
 
 ○タイニー・エター シーン01 序 場所 恭介自宅 時間昼 ■花世
  
 恭介「僕の人生はあんまり立派なものではない。昔っからそうで……それは仕方がないこと。あんまり頭は良くないし、スポーツが得意ってわけでもない」
 恭介「コネがあるわけでもないし、知り合いに有名人がいるというわけでもない。家は名家ではないし……」
 恭介「ちなみに僕の家の実家はもともとは出雲で小さな小間物屋をやっていたんだ。でも……僕の曽祖父の代で店を潰して……」
 恭介「それで、家族で夜逃げをしてきた。落ち着いた先は神戸だった……」
 
 ○本家エター シーン01 序 場所 画面黒 時間なし ■一矢