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むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編3

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総太「……そうですね。何なのかな。ちょっと行ってきます」
//?ありすを追わない
総太「……まあ、いいですよ。なんか機嫌悪そうですから……あとでメールでもしておきます」
霧子「そうか」

 「なー、アネキ、ゲームって結構大変だよなー。フラグの管理とか……」
 丸山花世は言った。
 「そうね……」
 とにかくシナリオを書く。それだけ。
 暑くても、晴れてても、蚊が出ても、雷が鳴ってもシナリオシナリオシナリオ……。
 「くそー、蚊がいるんだよなー……」
 小娘は不快そうに言った。
 すでに夜中の0時を回っている。
 「さっき窓開けたのがまずかった……」
 妹は姉のお下がりのホットパンツに、自宅から持ってきたシャツといういでたちになっている。
 「蚊取り線香、あるわよ……」
 女主人はキーボードを叩きながら言った。
 「あ、ああ、うん……」
 「入ってきたところの……電話の下の引き出し」
 「了解」
 イツキから帰ってきたばかりの大井弘子は、本日はジーンズにワイシャツとまともな格好をしている。けれど、それもいつまでもつか。姉はいつの間にか、仕事に夢中になると着ているものを脱いでいくという癖があり……妹が気がつくと裸になっているのだ。
 どうしてそんなことになるのか丸山花世はその理由を聞いたことがある。それに対して大井弘子は、 ――締め付け感が嫌。
 と、そういうことであった。
 「ああ、アネキ、あかりの部分、だいたいやっといたよ」
 「うか。そうみたいね。今確認している……」
  名前が決まり、プロットが決まり、そうなればあとは作業に入るだけ。
 ホワイトボードには分岐の一覧。適当に書いて、つじつまが合わなくなれば直して、また作業を続ける。
 妹分は高校に行って、それがはけたら大井弘子の部屋に直行して作業に取り掛かる。大井弘子は妹がいない朝方に作業を進める。そしてイツキの仕事が終わったら姉妹で会議。どこを直すか、どこを伸ばすか、どういう方向で作品を育てていくかを考え、共同で作業。姉はデスクトップのパソコンを使い、妹は姉のノートパソコンでシナリオ書き。夜中の一時ぐらいになると妹は起きていられなくなって横になり、姉のほうは、夜中の三時ぐらいまで仕事を続ける。