看護師の不思議な体験談 其の七
看護師の不思議な体験談 其の七
規模の大きな病院ほど、件数は多いのではないかと思うのですが…。自分の今後や、残された家族のこと、金銭面など、思い悩んで自殺に踏み切る患者様がおられます。
自殺しようかと思い悩む患者様は多々おられますが、大抵は家族のことを考え、思いとどまります。思いとどまる要因もなく、生きることよりも死ぬことのほうに価値を置いてしまった患者様は、命を絶つことを考え始めます。病院にいる限り、生かされてしまう。それならば、自分自身でこの命を絶たねば…、そればかりを考えて過ごします。
正直、本当にショックです。
自殺や自殺未遂が起きた場合、私たち看護師は自分たちを責めます。
看護師として、どうしてこのような結果を防ぐ事ができなかったのか。この患者様にとって、どのような対応が一番正解だったのだろうか。どこで患者様の考えが「死」へと向かい始めたのだろうか。なぜ、患者様の発する危険信号に気付かなかったのか。
作品名:看護師の不思議な体験談 其の七 作家名:柊 恵二