看護師の不思議な体験談 其の五
看護師の不思議な体験談 其の五
今年で33歳、看護師と助産師の業務について11年目になります。今は後輩も増え、いわゆる中堅どころの存在です。
こんな私にも、初々しい学生時代もあったのです。今でこそ看護大学が当たり前となっていますが、あの頃は看護専門学校が多くありました。
私も看護専門学校に入り、同じ目的を持った友人たちと寮生活を過ごしました。つらい事も多かったですが、それ以上に大切なものをたくさん得ることのできた3年間でした。人生の中で、一番充実していた期間だと思っています。
さて、今回はそんな前置きがありまして…。
学生時代の思い出を話そうかと思います。
看護学生さんには、ついて行きやすいそうですよ。お亡くなりになった方とかが。
なんたって、学生さんは優しいし、熱い思いを抱いている子が多いし。
職員みたいに『勤務』として割り切るわけではなく、学生は自宅や寮に帰っても、患者様のことを考えては明け暮れる日々。
こんなにも個人個人を大事に思ってくれる存在は、他人ではなかなかいないでしょう。
自分だけを見てくれる。自分のことだけを考えてくれる。
『この人について行ってみたいなぁ』みたいに感じてしまうのでしょうか。
寮生活でしたので、もちろん学生の集まり。思い出せば、いろんなことがありました。
作品名:看護師の不思議な体験談 其の五 作家名:柊 恵二