つるさんのひとこえ 4月編 其の一
prologue
prologue
どうして私って、こんな性格なんだろう。
最近、こんなことを考える時間が増えた。
雑誌やインターネットなんかじゃ誰もが通る道って書いてあったけど。
だけど。でも。もしその誰もが通る道を通ることの出来なかった人、拒絶した人はどうなってしまうのだろう?
私が誰かと同じ道を通るなんて、考えただけで寒気がする。
だから私は拒絶する。
自分の道は自分で決めたいから。
みんなが夢中になってる占いだって、私は信じない。
それでも話題作りのためだけに、その輪に加わる。
血液型や生まれた日なんかで他人からステレオタイプを持った目で見られるのが耐えられない。
優等生で人気者。
周りから聞こえてくる私の評判。
そこに私はいない。
あるのはただの数字と、人気者のふりをする私の仮面を被った何か。
仮面の下の私ってどんな顔?
仮面をとった本当の私を見てくれる人はいるの?
本当の私って誰?
本当の私って何?
本当の私を見てほしい。
本当の私だけを見てほしい。
本当の私を見つけてほしい。
ああダメだ。また頭の中で虫が暴れてる。
明日は入学式。
そろろろ寝ないとひどい顔になる。
あいつにだけは、そんな顔見せらんない。見られたくない。
混沌と共に夢の中へ。
おやすみなさい。
作品名:つるさんのひとこえ 4月編 其の一 作家名:島UMA