アイシテルのカタチ
17
事が住んだのはもう夜も更けた時分。
髪の毛を京介に触られる心地よい感じを覚えながら翔大が目を開ける。
「大丈夫?このまま寝る?」
京介からの問いに首を横に振った。
「おなか空いた・・・」
翔大のその言葉に、京介が笑いをもらす。
「そうだね、なんか出前でもとろうか」
「いいよ、なにか作るから」
言いながら体を起こそうとする翔大を腕の中に閉じ込めた。
「だめ、今日は出前をとる」
「なんで・・またそんな贅沢」
「贅沢でも、出前にすればもう少しだけ翔大とこうしてられるから。そっちのほうが大事」
それには何も言い返すことが出来ず、翔大も大人しく京介の腕の中におさまった。
「愛してるよ、翔大」
「僕も、愛してる・・・」
お互いの甘い囁きのなかで、呼び鈴が鳴らされるまでのわずかなひと時。
「こういう贅沢な時間なら、またあってほしい・・・かも」
つい口に出てしまった翔大の希望が嫌というほどかなえられるのは、そう遠くない日。
fin
お付き合いありがとうございました。
この小説は2008年2月当時やっていたサイトでいただいたキリリクの小説を、けっこー大幅に加筆・修正いたしました。
なんか、『加筆・修正』って言葉、カッコいいですよね(笑)
作品名:アイシテルのカタチ 作家名:律姫 -ritsuki-