「Boys in Love」
「あたし、『幼なじみ』っていう立場に満足して、あなたを庇いすぎてたのかもしれないわ。あたしが言うべきだったのね――。人を寄せ付けていないのは、あなたの方なのよ。あなたは何事にも本気になることを怖がっている。壊れてしまうことを怖れているんだわ。あなたが本気にならないって解っていたから、あの子もあなたを撥ね付けてきたのよ。あたしも――本気にならないといけなかったかしら」
何で――――心臓が痛む。
彩子はもう一度ゆっくり俺に口付けた。痛…ぁ…、何で……。俺は、痛みに耐えかねて、意識を手放した――――。
作品名:「Boys in Love」 作家名:井沢さと