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昼下り

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寝ぐせ頭をメットで塞いで、オレは古いスクーターに跨った。
起きたばかりだがランチタイムはとうに過ぎている。
41歳、バツイチ、子持ち、独り暮らしにも慣れてきた。

3〜4分でネットカフェに到着。最近よくここに来ている。
駐車場はほぼ満タンだ。
平日のこんな時間にどんな連中が集うのか。

まだ新しい店内は全席個室で大型のシートを備えている。
コミックも充実していて、何よりラテが旨い。
事務的な店員を割り引いてもお気に入りの場所だ。

とにかく腹に入れたかったので、受付けを済ませ先ずは部屋に向
かった。部屋に入って飯の注文をすると、すぐに出た。
本と飲み物を取りに入り口、カウンター方向へ進んで行く。

初めて来た時はトイレから戻るにもウロチョロしたほど
本棚で区画された通路は薄暗く、ちょっとした迷路だ。




棚と棚に囲まれた四つ角に差し掛かった時、事態は起きた。
右の死角から毛糸でできた緑色のボールが飛んで来たのだ!!

「うわっっ!!」

ボールに体を弾かれたオレは尻もちをついて床に座った!
見上げると緑色のカーディガンを着た女が立っている!

「ごめんなさい!大丈夫ですか?」
「んあぁ・・・」

オレは立ち上がりケツを掃いながら苦笑いした。

右手にファッション雑誌、左手にコーヒーカップを持ったその女は
自分の部屋が分からず、余所見していたことを謝った。

30前後だろうか、髪はショートでOLぽい。
そしてその胸元に飛んで来たボールの正体があった。

スイカップだった!!

作品名:昼下り 作家名:ちゅん