闇を抱える少年
Part6
ギルド本部
一人の銀色のローブを着てフードを被っている少年がギルドの受付に向かう。
???「こんちは。」
彼が受付嬢に話しかける、
受付嬢は彼の着ているローブを見て驚いたように話す。
受付嬢「こ、こんにちは銀色の討ち手様。」
???「何か依頼ある?」
少年が聞く。
受付嬢「依頼はありませんが、ギルドマスターがお呼びです。」
???「わかった、行って来るわ。」
少年が受付を離れて奥のドアに入って行った。
受付嬢(驚いた。あれが銀色の討ち手、世界中のギルドで一番強いランクKか。)
受付嬢はそう思ったあと仕事を再開した。
???「何の様だろ、ミレイのやつ。」
少年は長い廊下を進みながら言う。
???「また変な任務を受けさせられるのかな。」
そんな事を言ってる間にある部屋の前に到着した。
???「入るぞ~。」
少年は部屋に入る。
ミレイ「ちゃんとノックぐらいしなさい、グレイス。」
中には髪が茶色でとても綺麗な女性がいた。
グレイス「はいはい。
で、用件は?」
グレイスはフードを取る。
グレイスの見た目は白髪で整った顔立ちである。
ミレイ「そうだったわ、グレイス、貴方には正体を隠して学園に行ってもらいます。」
グレイス「何で今頃?」
ミレイ「貴方、任務ばっかで休まないでしょう、強者たるもの休息も必要よ、というわけで学園に行きなさい、マスター命令よ。」
グレイスはため息を吐いた。
グレイス「はいはい、行けばいいんでしょ、で、どこの学園に何時行けばいいの?」
ミレイ「貴方にはは魔法学園メノスに1週間後行ってもらうわ。」
グレイス「わかったよ。」
ミレイ「それと、荷物は貴方の部屋に届いてるから。」
グレイス「了解。」
グレイスはそう言うと、さっさと帰ってしまった。
ミレイ「これでグレイスの負担も減らせるわね。」
一人になったギルドマスター室でミレイは呟いた。
学園
セレーナ「そんな、嘘よね。」
セレーナはブランクから生徒についての資料を借りて職員室で読んでいた。
セレーナ「名前以外何の情報も無いなんて。」
セレーナはアルスの資料を見ている。
セレーナ「それに、この名前、まさかあのアルス?」
セレーナがそんな事を言ってると不意にブランクが職員室に入ってきた。
ブランク「そろそろ鍵閉めるぞ。」
セレーナ「わ、わかりました。」
セレーナは資料を戻して急いで職員室から出た。
セレーナ(そんなわけ無いわよね、彼がアルスだなんて。)
セレーナは一人廊下を歩きながら呟いた。
そして、1週間後
ブランク「お前ら、席に付け。」
ブランクが教室に入った途端教室が静かになる。
アルスはいつも通りフードを被り大人しくしてる、一つみんなと違うのは彼の机の下に使い魔であるレイスが猫の姿をして寝ている事だ。
アルスはいつもレイスを教室に連れて来ている。クラスのみんなも一週間で慣れたみたいだ。
ブランク「今日は新しい生徒が入る、仲良くしてやってくれ。」
カイト「またかよ、で、先生、女か?」
カイトがブランクに聞く。
ブランク「そんなもん自分で確かめろ。じゃあ、入れ。」
教室のドアが開かれる。
クラス中の人は、その動きを見ている。
グレイス「こんちは、俺の名はグレイス=ファルス、グレイスと呼んでくれ、属性は光、憧れている人は、白光の皇帝だ。」
グレイスが入って来ていきなり自己紹介をする。
ブランク「お前も白光の皇帝を追っているのか。」
ブランクがグレイスに聞く。
グレイス「まさか、先生も?」
グレイスはブランクに同志の見る目を向ける。
ブランク「あぁ、戦場で一目見てからな。」
ブランクがそう言うとクラスが騒がしくなる。
生徒A「先生、戦場で戦ってたんですか?」
1人の生徒が質問する。
ブランク「ん、言ってなかったか。
俺はあの戦場で白光の皇帝に助けられている。
いわば命の恩人だな。」
そのブランクの話を聞いてグレイスは目をキラキラさせて話しを聞いていた。
グレイス「マジスゲェ、あの白光の皇帝様を見た事があるなんて、どんな人だったんですか。」
少し興奮した様子のグレイスの質問にブランクは返す。
ブランク「見た目はフードを被っていて見えなかったが、身長は12歳前後位だったからだいたいお前らと同じ歳位だぞ。」
ブランクの話を聞いてクラス中がまた騒がしくなる。
グレイス「そんな情報初めて聞いた。あぁ俺もあってみたいな。
それとありがとう、ブランク先生。」
グレイスはブランクと暫く話をした後、窓側の席に座った。
グレイスが座るとクラスの人達が質問しようと彼の席の周りに集まった。
そんな教室の中に一人だけ無言でいる生徒がいる。
アルス(もう僕は戦いたくないんだ。)
アルスがそんな事を考えている下でレイスは自分の主を心配そうに見ていた。