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ばーさーかー・ぷりんせす!第4話

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5.

 雲の切れ目から月明かりが漏れ、禍々しい鎧に包まれたフロリーナを照らし出
す。一瞬驚き、動揺する足代。しばらくじっとフロリーナを凝視する。そして。

「なんだお姉ちゃん、そのヘンテコな鎧はよ?」
「ふ、やはり思った通りですわ。この魔鎧が見えるお前は邪なる心の持ち主。なに
が狙いなの? 白状なさい!」

ぶん!

フロリーナの鉄拳が飛ぶ。バク転でかわす足代。

「なんでえ、訳分からねえまま呼び出されて、今度はケンカか? いいぜ、相手に
なったらあ!」

斧も、火炎攻撃もしないがパワーと抜群の身体能力を引き出す魔鎧である。しかし
矢継ぎ早に繰り出される姫のパンチとキックをひらりと受け流し、重みのあるキッ
クを足代は放つ。堂々とした戦いっぷりである。

「くっ、意外とやりますわね。」
「姉ちゃんもなっ」
二人の激しい格闘が続く中。
「姫さまー、アジロの兄さまー、ケンカは駄目だよう」
マリアとナベシマが飛び込んできた。二人は寸止めで拳を収める。

「ふう、命拾いしましたわね」
「け、どっちがだ」

ラッキーも飛び込んできた。
「ひめさまあ、ケンカはだめだよ~んんん~」
姫へ一直線に飛びつく。

どかーん!!
「グボゲハ!」
時は動き出す。姫の見事なブーメランフックがラッキーの顔面に直撃した。
「ドサクサに紛れて抱きつこうなど、無礼者!」
「…なんだかな、この棒っきれみてえなの。おもしれーやつ」
足代も呆れて見ている。ケンカの気分ではなくなったようだ。遅れてルーシーと
ギャリソンがやって来た。

「ケンカどころじゃないですよ~、大変です~。狩人のおうちのアレンって男の
子が、森の奥の墓場に行っちゃったんですぅ~」
「な、なんですって!?」

                             ・・・つづく。