小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

看護師の不思議な体験談 其の一

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 


 正直、罰ゲームのような巡回を終え、ナースステーションへ戻ってきた。
 ビビリの私には涙もの。
「もう怖い話なんか、せんよ~」
「言い出したのはそっちでしょうが」
 同僚の冷たい一言。
(とりあえず、もう仕事に没頭しよう)
 仕事に集中していれば、いつの間にか怖い思いなんてどこかに行ってしまう。
 そこへ仮眠から起きて来た後輩が、大きなあくびをしながらナースステーション内に入ってきた。


「あー、すみませんでした」
 後輩が髪を束ね直す。
「何がね?」
「あれ、何か緊急入院入ってきませんでした?」
(まだ寝ぼけてんのかな)
「なんもなかったけど。」
「おっかしいなー、仮眠室でウトウトしてたら、廊下をめっちゃ走り回ってる音が聞こえてきましたよ。何人かの足音がしたから、入院きたんだわーって思ってたんですけど。」
「……」
「ああ、もしかして先輩の足音ですか?何度も行ったり来たり。静かに歩かないと苦情きますよー。」
 私と同僚は、目を合わせ言葉が出ない。ブルッと身震い。

 後輩は、おかげで目が覚めましたよ、とかなんとかブツブツと愚痴っている。
 生意気な口をきく後輩にイラッとしつつも、一人平和な後輩がうらやましかった。

 もう、ホント勘弁して…。
 たまーにあります、こういう話。