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分岐点 (中編)

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十二月二十日(木)

昨日はあれから少し寝ては、探しに行く、を繰り返した。
もちろん、夜中も。
昨日と同じように朝を迎える。今朝はトイレから出た後、そのまま廊下で倒れていたところを、啓一に見つけられた。
度々かかる電話に心臓が止まりそうになる。電話がかかるたび、期待と不安に駆り立てられる。手が震える。
大概の内容は、心配と労いの言葉。
―お願いだから、手がかりがないのなら電話なんかしてこないで!
何度も心の中で叫んだ。
『ご協力よろしく御願いします』、『ありがとうございます』
何度も発しているうちに、言葉の意味が分からなくなってくる。
何の進展もない、何の手がかりもない。
時間ばかりが過ぎて行く。

作品名:分岐点 (中編) 作家名:柊 恵二