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聖なる日

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 まったくバレンタインデーなんて、どこのバカが考えたんだろう。
 だいたい外国の聖職者が死んだ記念日が なんでチョコレートの日になるんだ。これは絶対お菓子屋の陰謀だ。こんなアホくさい習慣は即刻止めるべきだ。
 まあ、今こんなこと言っても仕方ないんだが、とにかく明日のバレンタインだけは中止にして欲しいわけだ。
 別にチョコレートを貰えないから言ってんじゃない。そりゃあ俺だって女の子からチョコを貰えば少しは嬉しいけど、寺崎慶子以外から貰っても感動しないからな。
 問題は寺崎だ。
 あいつが誰かにチョコレートを渡すかも知れないのは重大な問題だ。それが義理チョコじゃなく本命っぽかったりしたら、この世の終わりだ。
 チョコを渡すんなら俺にしろよと忠告してやりたいけど、俺があいつのことを好きだってのも言っていないから それはちょっと出来ない。もうちょっと気の利く女だったら俺の気持ちを察して とっくの昔にラブレターの一つも書いてんのにさ。まあ、あいつは超鈍感女だから、そんな芸当は無理な注文だな。
 あいつに合うのは俺しかいないんだ。そろそろ、そのことにも気付けってんだよ。喧嘩ばっかしてるけど、誰よりも俺が寺崎のことを想っているんだ。絶対間違いない。あいつが俺以外の男を好きになることは絶対間違ってるぞ!!

 ああ……もうこんな時間か。
 布団の中でグチグチ考えていても なんにも解決しねーな。もう寝よう。


 ……と思いながら、夜中の3時になっても寝らんねぇのは困ったもんだよ。
 みんな あいつが悪いんだ。まったく。

作品名:聖なる日 作家名:大橋零人