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むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編2

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 大井弘子は固い表情のままに呟いた。
 ゲームを作るチームは言ってみれば軍団。プロデューサーが将軍。ディレクターは中尉。シナリオは歩兵。原画は重騎兵。グラフィッカーは軽騎兵。音楽は砲兵。それぞれが局面にあった仕事をしなければ勝利はおぼつかない。 
 エターに関して言えば、
 市原が将軍。シナリオの歩兵部隊は大井弘子と丸山花世の傭兵が担う。間という男は軽騎兵部隊の隊長と言ったところか。
 「なんか……あんまりグラフィッカーっていう仕事の人に良い思い出ってねーんだよな。なんでなのかな」
 丸山花世はうんざりしている。人間的に問題のある譜代旗本が幅を利かせている組織。当然、そういう組織では外様はやりにくくなる。しかもそれを統括する将軍市原はうつ病の疑いもある。
 「なんか、先行き暗ぇよなー……」
 丸山花世はため息をついた。
 まだ作業に入る前からこのていたらく。先行きは限りなく暗い。