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我らアスター街17番地区ストレングス部隊

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 アシェルは顔をしかめる。それは色々な面でむずかしそうだ。宣伝をしても肝心の絵に魅力がなければ意味がない。
「ねえ、アシェル。そんな難しいことする必要ありませんわ。サイラス、指をおつめなさいな」
 ファーラはふんわりと微笑んだ。
「い、いやあっ! 冗談だってわかってても怖いよファーラさん!」
「安心しろ、サイラス。いざとなったら俺がその指輪を斬ってやるよ」
「ちょ、隊長何取り出して…… トンカチとノミ、でかっ!」
「いやあ、それだけは!」
 サイラスと指輪の霊は仲良く悲鳴をあげた。
「あら、二人とも我がままですわね。それが嫌ならサシクさん、絵が売れるまでサイラスに体を貸してもらったらいかが? 月々そうね……」
「僕の体、賃貸物件?!」
 なんだか、つっこんでばかりのサイラスだった。

 結局、幽霊の願い事は二つ。「絵で有名になりたい」と「自分がなぜ死んだのか知りたい」。
 とりあえず簡単そうな最後の問題の手がかりを探しに、ストレングス隊の面々は町に戻っていった。
 どうやら、サシクは指輪の持ち主と関係のある人物にしか見えないらしく、他の通行人に騒がれるようなことはなかった。
「でも、なんで指輪なんだろうな?」
 アシェルがふと呟いた。
「画家だとしたら、もっと何か他の物…… 例えば絵筆とか、自分の描いた絵に取り憑くと思うんだが」
「う〜ん、確かに」
 サイラスが相槌を打つ。
「それが、よくわからないんです。気づいたら指輪の中にいて。記憶がすごく混乱してて」
「まあ、それはしかたありませんわ。何せ、死んでるんですから」
「でも、この指輪がとっても大事な物だって言うのは覚えているわ」
「そういえば、話を聴いただけで肝心の指輪に関してはノーマークだったな」
 サイラスがアシェルに手を突き出した。
「これは、何か紋章が彫り込まれているな? この辺りの教会の聖印だなこりゃ。聖職者の身につける物だぞ」
「でも、見た感じ絵が趣味の聖職者って感じじゃないけれど?」
「おばかですわね、サイラス。聖画かなんか描いてたんでしょ? よかったよかった。行く先が決まりましたわね」

 教会の中は静まりかえっていた。どこかに出かけているのか、神父の姿までない。
「あら。これじゃあお話が聴けませんわ。仕方ありませんね。誰か詳しい者が来るまで……」
「その必要、なくなったかも」